第二十話:はじめての虫歯治療(根管治療・ファイバーコア)

前回に続き、わたしは「はじめての虫歯治療」の続きを行った。

3日前に結局抜随までいった左下5番は、今日土台(ファイバーコア)をたて、仮歯までいく予定だった。

そもそも、なぜわたしは「虫歯」になったのだろうか….

自信が喪失されるとき…

これまで私が信じていたことが、すべて覆された「虫歯」。

私はこれまで、定期検診を怠ったことは一度もないし(歯医者さんに行くのが趣味だし)、「歯周病になりやすい人は虫歯になりにくい」という言葉を信じていた。

「なりにくい」であって、「絶対にならない」のではないのだけれど、「ならなかった実績」があったので、私は、いとも簡単に「虫歯になりにくい」を信用してしまっていた。

だからといって、虫歯の予防をしなかったわけではない。

定期的なクリーニングのほか、毎日の歯磨きも大好きだったし、シュガーコントロールもできていたはずだった。

シュガーコントロールというのは、「お砂糖が口の中にある時間をできるだけ短くする」というものだ。

甘いものを食べてはいけないわけではなく、食べてもいいけど口の中に滞在している時間を短くする、ということ。

つまり、ダラダラと口の中に甘いものを入れておかない。
甘いジュースをチビチビ飲むとか、あめ玉をずっとなめている、とかそういうことをしなければいいだけだ。

食べる時間を決めて、その時間のみ食べる。

…と、いう習慣はもう子どもの頃からできていたので、私は「食事や間食の時間以外に口の中に食べ物が入ること」があまり好きではなかった。

もちろん、「プラークコントロール」と(歯医者さんに)言われて育ったので、歯磨きは怠っていなかった。

歯周病で歯が抜ける心配はずっとあって(もちろん現在も)、その心配から解放される日はおそらく来ない。
しかし、虫歯で歯を削る(抜く)なんて心配は、これっぽっちもしていなかった。

まさか私が虫歯になるなんて…

前回はあまりの驚きで、頭の中が真っ白だった。

そして、しばらくして落ち着いたころ、改めて、「虫歯になった事実」を実感する。

すでに私の歯は、抜随して、歯が大分小さく削られている。

私は「虫歯」の事実を受け入れなければならなかった。

前回私は、「カビたチーズのようにボロボロになった象牙質が歯の中からかき出される瞬間」を、しっかりと見届けた。
あの、絵に描いたような虫歯が、私の歯の中に存在していた。

その事実は認めるものの、

「でも、外から見えなかったもん!」
「3ヶ月に1回の定期検診では、誰からも虫歯を指摘されなかったんだもん!」
「パノラマ(レントゲン)では写らないとこに虫歯があったんだもん!」
と、誰かに責任を押し付けたい気持ちでいっぱいだった。

気づけなかった理由は、それがすべてだった。

自分を慰めつつも「気づけない」という事実は変わりようがなく、私はもう「すべての歯が疑わしい」と思ってしまった。

私はもう、「私は虫歯にならない」という自信を失い、全てが疑心暗鬼だった。

今、表からは何の問題もなく見える私の歯。
そんな歯の中では、虫歯が出来ていくドラマがおこっている。(のかもしれない)

すべてが疑わしいと思うといてもたってもいられない

前回の治療の続き…

私:「この削ったとこ、モノが当たるとカツンとした痛みがあるのは普通ですかね?」

先生:「痛みますか?一応今日も中をもう一度よく見てみましょう」

私:「あと、7番が気になるんですけど。なんとなくなんですけど5番のときに感じた違和感と似た感覚があって。もう一度よく見てもらえますか?」

先生は丁寧に7番を見てくれた。
以前に撮ったデンタルもあった。

先生:「7番は虫歯じゃないです。」

私:「ほんとに?」

先生:「ほんとに」

私:「ほんとに?」

先生:「はい…。ただ、虫歯が発見される時って、クリーニングの時が一番発見しやすいんですよね。ちょっとしたフロスの引っかかりとかで気づくという。うちではまだクリーニングをしていないので…。」

私:「じゃぁ早くクリーニングしたいです。クリーニングのタイミングはいつですか?」

私は、今年に入ってここに通い始めてから、そのほかのいろいろな治療ばかりで一度もクリーニングをしていなく、もう4ヶ月になるので、早くクリーニングがしたかった。

先生:「次回仮歯を入れる日に一緒にクリーニングの予約も入れましょうか。」

私:「はい。でもクリーニングは再生治療をする場合、しないんじゃなかったでしたっけ?」

以前に、再生治療をするなら、衛生士さんのクリーニングを入れないと聞いていた。
たしか、あまり歯茎をいじると、その分歯茎のダメージが大きいから…だったのでは?!

先生:「はい、クリーニングといっても、SRPのような歯茎の内側を触るものではなく、表面だけのクリーニングです。」

なるほど。それならいいのか。

私は、久々のクリーニングが楽しみだった。

私は全てを疑いたい。
「クリーニングの後」という絶好のタイミングで、「虫歯になっているかもしれない恐怖」を払拭したい。

虫歯を感知するセンサーみたいなのがあったらいいのになー。

ラバーダムとの戦い

さて、私の好きな根管治療がの続きがはじまる。

この根管治療は、妄想だけで楽しくなる。
というか、妄想しかできないけど、細い細い管の中を清掃していることを想像するだけでドキドキする。
どんな世界が見えているのだろうか。

しかし!
私には、「顎が痛くなる」という大きな弱点があった。
決して、口を大きく開けられないわけではない。
けれど口を開けた状態で長い時間が経つと、右の顎関節が痛くて仕方がなくなる。
この日も、「もう無理…」と思いながら、時が経つのをひたすら待っていた。

「もう感染してもいいから口閉じたい!」と思うくらいに…涙

ラバーダムを、口を閉じれる程度にゆるくかけてくれたので、少しは口が閉じれるけど、顎の痛みは限界だった。

今後行う予定の再生療法の時の顎の痛みが心配だった。
4番から8番までをざっくりと大きく歯茎を切って開く予定なので、おそらくかなり口を開けていなければならない。

私:「先生、わたし顎の痛みが心配です、再生治療のときの。もうこれが限界なんです。
で、前回静脈麻酔をするってことになりましたけど、本当は、静脈麻酔なんて嫌なんです。寝てる間に治療が終わっちゃうなんてもったいなくて。何をしてるかの感覚を味わいたいんです。

私は、顎の痛みを我慢するか、意識のないのを我慢するか、どちらかの選択に迫られていた。

私は、歯科恐怖症ではないし、痛みにもそこそこ強い。
でも、顎の痛みはな〜

先生:「うーん、寝てる間に終わる…というのが静脈麻酔のいいところなんですけどね…。でもそれがいやなんですよね。

私:「はい、嫌なんです。治療されてる感を味わいたいんです。
やっぱり、この再生治療も、根の治療みたいに、絶対に唾液が入ってはいけないタイミングとかがあるんですか?」

先生:「オペ自体は2時間で、ときどき口も閉じれますが、大事なところではやっぱり口を開け続けてもらわないとならないんです。造骨材を入れるときは口は閉じれないです。」

私:「たとえば、前半は静脈麻酔なしで頑張って、いよいよ顎があぶなくなってきた頃に麻酔をする…とかは出来ますか?」

先生:「それもできます。それでもいいですね。浅く麻酔をするというのもできるんですけどね。少しぼんやりするくらいで、受け答えはできる程度の麻酔です。でもそれだと、やっぱりぼんやりしているので、後々あまりよく覚えていないことが多いです。」

私:「覚えていないのは嫌です。切られてる感覚を覚えていたい…。」

先生:「うん、どっちでも対応できますよ。後半が大事なところなので、後半だけ麻酔でもいいですし。前半は多少口を閉じれますので。

やったー!
静脈麻酔なしで、オペを味わえるっ!

「寝ている間に治療が終わる」というのは、歯医者さんが苦手な人にとっては大きなメリットである。
でも、歯医者さんが大好きな私には、悲しすぎることだった。
こんないいとことで寝ちゃうなんて!

私は、しっかりと「オペ」の雰囲気を味わいたい。

私の歯の骨のレントゲン写真

私:「あ、あと、歯の骨のレントゲン写真をもらえますか?骨が吸収されてる状態の。正直、再生治療は、自分では歯の動揺も感じていないし、歯茎の中のことで見た目も変わらないし、モチベーションを高めるための何かが欲しいんです。骨の写真があれば、やる気になるので…」

私は、この骨がどのくらい復活するのかを想像して、その目標に向かいたい。
あまり期待はしていないけれど、小さくてもいいから、結果が欲しい。
まずは現状把握!

というわけで骨の写真。
これらが、今回再生治療で目標とする箇所。

右下

右上

左上

レントゲンだけだと何のこっちゃ分からない。

つまりこういうことだ。

右下
赤い部分が垂直吸収されている箇所。黄色ラインは水平吸収。黄緑色のとこは「微妙」(開けてみないと分からない)。
適応本数は、2本分。

右上
赤い部分が垂直吸収されている箇所。黄色ラインは水平吸収。
適応本数は、1本分。

左上
赤い部分が垂直吸収されている箇所。黄色ラインは水平吸収。
適応本数は、1本分。

これらの、骨がどのように変化するのか楽しみ!

再生療法の見積書

ちなみに、再生療法の見積もりは以下の通り

・右下
再生療法 2本 8万×2本
エムドゲイン 4万
+税
259200円

・右上
再生療法 2本 8万×1本
エムドゲイン 4万
+税
129600円

・左上
再生療法 2本 8万×1本
エムドゲイン 4万
+税
129600円

あと、静脈麻酔が各回3万円

【セラミック矯正のその日の治療費】

診察料 1620円
ファイバーコア 21600円
合計 23320円

【セラミック矯正のその日のやったこと】

・ファイバーコア(白い土台)
※あ、仮歯は?!今日は根管治療をしなおしたせいで仮歯まで行かず…

【セラミック矯正の次回の治療でやること】

・仮歯の装着
・クリーニング

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コメント

  1. より:

    ルンルンさんは虫歯治療さえ楽しんじゃって…輝いてます(*´꒳`*)
    いよいよ増骨!私は局部麻酔&筋肉注射の麻酔でした。後半で目覚めてしまい、脳内修羅場(^_^;)終わった時には心底ホッとしました。
    ルンルンさんの幸運を祈ってます♪

    1. ルンルン より:

      魚さん
      長年歯で悩まされてはいるんですけど、歯科好きなんです 笑

      やっぱり魚さんも麻酔されたんですね〜
      後半の修羅場は、想像すると怖いんですけど、私は後半のみ麻酔で意識がない状態になる予定なので、しっかりと術中の写真を撮っておいてもらうようお願いしちゃいました…

      その後の経過もよくなりますように…♪

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