前回からまた1月少し空いたが、絶賛治療中だった。
今日は、本歯のセラミックの型取りをする日だった。
(本当はこの1回前にクリーニング1回あったけどもういいかげん省略!)
いよいよ、この仮歯(とほぼ同じ形)で、セラミックの歯を作る。
制限の範囲内でのベスト
私の、ドラマチックな、一年に及ぶセラミック矯正の治療の期間中、私の心に深く刻まれた言葉が、「制限の範囲内でのベスト」という言葉だった。
制限を外すことにもチャレンジしてみたけれど(模型で)、もうこの歯の形で文句はなかった。
充分考える時間もあったし、いろいろ勉強になったし、この1年近くの間の私の歯科ライフは、貴重な時間だった。
人生の中で長い時間一つのテーマについて悩み、試行錯誤を繰り返し、いろいろな検証をしてきた。
自分の頭の中で悶々とするわけでもなく、ストレートに聞きたいことを聞いてきたし、いろいろな人の意見も聞きながら、自分が成長した実感(大げさ…)が多いにあった。
だから、これでいい。
歯周内科後の経過も「悪く」なった感じはないし、(だからよくなった感覚もないのだけれど)これが正解だったかどうかは自ずと10年もすれば分かる。
…というわけで、この日は3時間コースの、型取りとなった。
型取りだけでなぜ時間がかかるのかと思ったけれど、この型取りをするにあたり、中の土台(自分の歯)の形態を整えるようだった。
技工士さん登場
先生:「今の仮歯とほぼ同じ状態でいこうと思うんですが、気になる点はありますか?」
気になる点はもう以前からずっと変わらないけれど、それはもう外せない制限だと分かっていたので、その答えは『ない』だった。
私:「とくにもうずっとこの仮歯で変えてないんで、とくにないです。」
本当は、気に入らない点は『ある』んだけど、けれど、言っても仕方がない。
そう納得できるところまで、もう議論は済んでいたしな。
もう、とくにない、としか言えない。
先生は、私の歯をじっくり眺めて、考えていた。
先生:「ちょっと技工士さんを呼んできます。」
久々の技工士さん登場の回だった。
私は、技工士さんの雰囲気がなんとなく好きだった。
先生と技工士さんがごにょごにょと話している。
先生:「この前歯の張りを少し減らして…、犬歯を奥にちょっと奥にできますかね…?」
技工士さん:「3番をシャープにして、歯軸を少し奥に下げて、もう少しアーチっぽくして…」
ごにょごにょごにょ…
外に張り出している(ように見える)下顎3番を目立たなくする作戦のようだった。
技工士さん:「たぶんできると思うんですけど、支台歯の立ち上がりの位置にもよりますね。」
私の支台歯は、大分前に鏡で見て以来だけど、かなり細く削っていたはずだったのを、私は頭の中で思い浮かべた。
後で、仮歯を外した状態で再度技工士さんに見てもらうことになった。
先生:「今日の型取りは、糸で圧迫したりと、痛みがあるので、神経のない下の歯も含めて、上下とも麻酔をしていきます。」
がーん、また麻酔。
麻酔は、麻酔後の腫れが1週間は痛くて、嫌だった。
もうすこしの辛抱…!
上下とも麻酔をして、仮歯を外す。
キュイーンという機械で、形を整える。
再び技工士さんを読んでくる。
技工士さん:「ちょっとコレだと支台歯が低いので離脱の可能性が…」
先生:「かなり細いんで、このくらい短くしないと、仮歯を外すだけでも折れる可能性があって…」
ごにょごにょごにょ
どうやら、支台歯の長さが足りないようだった。
これは、以前に鏡で見たときにも、相当削って細くなっていたので、想像がついた。
なんとなく、先生と技工士さんの話の内容は、分かった。
先生:「ちょっと説明しますね。」
と、鏡を手渡された。
先生:「歯周病で歯茎が大分下がった状態で、歯の立ち上がりの位置が、ルンルンさんの場合、普通より下なんですね。
で、その下の位置からスタートすると、すごーく細長い状態の歯の土台になっちゃうんです。
細くて長いものというのは、折れやすいんです。
だから、丈を短くしています。
ただ、このままだと外れてしまう可能性があるんで、今日丈を長くします。」
私:「はい。」
私は、『はい』としか答えられなかった。
だったら、最初から削らなければよかったんじゃ、と思ったけど、すでに削られているし、もし削らなければ、あのとき、仮歯が入らなかったんだろうなー、と思った。
あのときというのは、この日のことだ。
これまでの経緯を思い出した。
思い出すと、走馬灯のように蘇る日々…
私は、もう、小さな疑問よりも、あと少しでこの治療がゴールするという、感慨深さの方が大きかった。
そして、私の歯の土台は、レジンで盛られて、少し丈が長くなった。
私は、淡々と、口を空けたり閉じたりしながら、この日の3時間コースを終えた。
麻酔も、仮歯を外すのも、形成も…、全てがいままでに経験済みであったけれど、この日はなんだかすごく長く感じたし、型取りも何度もした。
A1とA2の狭間で揺れ動く思い
そして、型取りができ、いよいよ色合わせだった。
さまざまな歯の色見本が並ぶシェードガイドを見ながら、先生と技工士さんと私は、私の歯をじっくり眺めていた。
ジィーーーーーーーーーっ
先生:「ルンルンさんの場合、この上の3番が天然歯なので、ここがネックになると思います。
この3番がは、A3〜A3.5くらいの、日本人の平均的な色です。
で、3番というのは、普通少し濃くなってるので、1〜2番は一段明るくてもおかしくないです。
となると、A2がいいかなーと。」
技工士さん:「A2というのがコレ。A3はコレ。A1だとコレです。」
グラーデーションのように色が少しづつ変化していく歯を見比べていた。
私:「なるほどー。A1だと、明るすぎて不自然ってことですかね。」
先生:「たぶん、A1だと明るすぎると思うんですよね。A2で作って、もう少し明るくしたいなってことであれば、また修正をかけますので…。
…って、変えられます?(←技工士さんに)」
技工士さん:「いや、明るくするのは難しいです。明るいのを暗くしていくのだったらできるんですが。」
どうやら、A2とかA1とかいう材質があって、そこに少しづつ色をつけていく、というイメージのようだった。たぶん。
先生:「じゃぁ、A1にしましょう!」
私は、A1で明るすぎないかと思いながら、なんとなく勢いで、決まった。
(まぁ、入れてみて気に入らなかったら直してもらえばいいし…)
私の歯は、大分根に近い黄色い所が見えているし、若くもないので、真っ白すぎる歯は嫌だった。
だからといって、高いお金をかけて歯を作るのに、黄色い歯にするのも嫌だった。
そんなふたつの気持ちがせめぎあう。
(A1で全部入れたらどんな雰囲気なんだろうな…)
その後、技工士さんの制作用(?)に写真を何枚か撮った。
ともかく、私は、人工ダイヤモンドと同じ素材、ジルコニアセラミックの歯に決まった。
先生:「本数が多いので、2週間くらい空けていただいて、次回の予約をとってください。」
あとは仕上がりを待つだけ…
162万円の支払い
セラミックの代金は、型取りをしたら支払うことになっていた。
私は後日銀行振込を選んだ。
10本分、162万円…
あと、虫歯治療をした5番の1本の分の被せものはまだだった。
(いったん前歯が終わってから、5番を型取りをする予定となった。)
【セラミック矯正のその日の治療費】
(前回の分と2回分で)
前回 16200円(クリーニング)
今回 1620円
【セラミック矯正のその日のやったこと】
・形形
・型取り
【セラミック矯正の次回の治療でやること】
・本歯が入る?!
【これまでにかけた費用と時間、文字数】
・1118680円
・3180分(53時間)
・135330文字