第二十三話:私はモンスターペーシェント?!

今日は、固定装置の型取りのみ。
そして、次がいよいよ再生療法の予約となる。

そこで私はまたしても?「めんどくさい患者」になってしまった…。

型取りはこれまで同様に行い、再生療法の箇所の歯石もなく、次回問題なく再生療法に進めることとなった。

治療の方法は、これまでにも何度も説明を受け、充分に納得していた。

ただ、気がかりなのは、「静脈麻酔」の件だけ…。

静脈麻酔がしたくない

私は、やっぱり、どうしても静脈麻酔がしなくなかった。

「寝ている間に治療が終わる」というのが、どーしてもいやで…。

口の中の治療は、感覚を研ぎすませていないと何をされているかが分からない。
患者にとって盲目下の中、些細な振動とか音とか息づかいによって、何をされているのかを妄想する。

まぁそれが、嫌って人には嫌なんだろうし、好きという人には好きで。
私は好きというかそれが「分からないと」安心できない。
何をしているのか分からないのが一番怖い。

だから、以前から、「できるだけ静脈麻酔はなしの方向で…」ということで先生にもお願いをしていたのだけれど、この日「外科は基本は静脈麻酔になります」と言われたのが、どうしても気に入らなかった。

既に私は、
・すごく長い説明の時間を求めている(結果、時間をかけてもらっている)※第十八話
・勝手にセカンドオピニオンしたり※第十七話
・勝手に治療プランを考えて提案してみたり
・ブリッジのとこの1mmくらいの穴が心配で診察してもらったり
なんて、「めんどくさい患者」「神経質な患者」と思われていると思うので、どうにか静脈麻酔の件は、「やらないと、治療上不便になる」と思おうとした。

しかし!
やっぱり、どーしてもという思いで、診察後に、めんどくさい電話をすることになる。

私:「先生、やっぱりどーしても静脈麻酔が嫌なんです。もう一度考えてもらえないでしょうか。
見えないことに対する不安がすごく大きくて。でももしも、どーーーしても治療上すごく不便で静脈麻酔が必須ということであれば、納得して受け入れます。」

先生:「静脈麻酔で、と言ったのは、治療上というより、顎の痛みがあるのでその方がいいと思ったので言ったんです。
だから、どうしても嫌ということであれば、使わずに治療しますが…。」

私は、口が小さく、口を長時間開けていると顎関節がどうにも痛くて仕方がなくなってしまうという弱点があった。
例えば根の治療など、「大事なとこでは口を開きっぱなしにしておかなければならない時、など。
(歯医者さんに行くのが趣味なのにこの弱点が悲しすぎる…)

私:「でも、やっぱり先生にとって不便ですよね。休み休み治療するということになるので。この不便のせいで、治療の成績にも関わると思います。
そこで、私も何かいい案がないかと考えたんです。」

(またしても「勝手に案を考えてくる」めんどくさい患者っ!!)

私:「ひとつは、私が自分の手で口を開けていてはダメでしょうか?」

先生:「?」

私:「器具や人の手が口に入るのが辛いんですが、自分の手だったら加減もできますし、気持ち悪くもないので、自分の手で口を開けておく、ということです。」

先生:「えーと、開口器ではなく?ということですか?それはちょっとできません。治療中の器具が当たったりとても危ない状態です…」

(やっぱし…)

やっぱりそうだよね〜、と思いつつ、私は気を取り直して、2つ目の案を提案する。

私:「あともうひとつ考えたのが、倍の料金を払うので倍の時間をかけてもらえませんか?」

先生:「?」

私:「単純に、やりにくさが、時間をかけることで解消されるなら、その時間を買いたいです。顎を休ませてもらいながら、時間に追われずに治療ができた方が、治療の結果がよくなりませんか?」

先生:「うーん、それはあるかもしれませんが…。じゃぁ、こうしましょうか。その次に患者さんの予約を入れないようにしておきます。すでに取ってある2時間半の枠でも余裕ももっているつもりなんですが、治療時間がのびても支障がないようにしましょうか。」

私:「はい、それが可能ならお願いします。」

先生:「そして治療の中で造骨材を入れるタイミングが後半なんですが、そのときだけは休み休みというわけにはいかないので、そのときだけ、もし顎が辛ければ静脈麻酔で…、ということではどうでしょうか。」

私:「はい、それでお願いします。」

先生:「あと、何をしているかの不安がないよう、治療中の過程もちゃんと分かるように写真に収めておきますので。」

めんどくさい人

あぁ、こういうのをモンスターペーシェントというんだろう、と思った。
きっと、私の裏カルテには、「めんどくさい人シール」が貼られているに違いない。

ちなみに、私は、ふだんめったに怒らないし、いろんなことを気にしない。
たぶん、めんどくさい人ではない。

サービスや商品に対してクレームを言ったことは一度もない。
イライラもしない。失敗も許せる。
「おおらかな人」とか「柔軟な人」と思われている。
ほかの人が不信に思ったり怒っていることも、私は、「まぁ、いいか」と思える。
ぼんやり(ふんわり?)ボーっとしてるというのもあるし、執着しないというのもある。
前向きだし、けっこうヘビーな問題を抱えても、自分にとって「良い方向に」と、物事を捉えることができる。
普通に我慢もできる。

その点に、無理も違いもないけれど、時々「どうしても我慢ならない」と思ってしまうことがある。
それが、「医療」について。

基本、医療オタクなので、「分かるまで知りたい」とか「最善を尽くしたい」とか、妙なこだわりとか「我を通す」ような行動を取ってしまう。

信頼なしに成り立たない関係において、「我を通す」ことがどれだけデメリットであるか私は分かっている。
だから、私は、無理を言ってしまったことに、反省もしたし、「あぁやっぱり私ってそうだよな」と、自分の欠点に改めて気づいたのだった。

そんなモンスターペーシェント気質の私は、とにかくその部分に「時間」と「お金」をかけるしかない。
お金を払えば済む問題ではないかもしれないけれど、少なくとも、「説明の時間」が私は欲しい。

歯科医師のためのモンスターペイシェント対策

なお、歯科治療においてのモンスターペーシェントは増加しているらしい。
例えば、こんな、「歯科医師のための法律事務所」なんてのもある。
http://www.dental-lawyer.com/index.html

あぁ、いろいろありそうだなぁ〜

歯チャンネルでも、よく「医療裁判!」と、鼻息荒い投稿がある。
(ちなみに、歯チャンネルは、不要な情報が目に入らないように、治療をはじめてからはあんまり見ないようにしている)

そんな風に、これ以上、めんどくさい病をこじらせないように…と思わなければ…。

もしかしたら、歯医者さんってのは、お医者さんと違って、「感謝されにくい」仕事なのかもしれない。
虫歯を削ったり、悪くなった歯を抜いたり、機能として生涯使う歯のために手を尽くしたとしても、「削られた」「抜かれた」「神経取られた」という風に言われがちで。
そんな仕事なのかもしれない、とふと思う。

「この商品が欲しい!」という物欲のような…、「治療欲求」(?)を患者さんに持たせることができてはじめて感謝されるのかもしれない。

…というわけで、わたしは反省して感謝を気持ちを伝えよっと(汗)

ともかく無事、次の予定は決まった!
再生療法1回目。
ワクワクしつつその日を待つ!!
いよいよ来週〜☆

 

このめくるめく歯科ドラマをぜひ1話からどうぞ…!→もくじ

 

【セラミック矯正のその日の治療費】

診察料 1620円

合計 1620円

【セラミック矯正のその日のやったこと】

・型取り

【セラミック矯正の次回の治療でやること】

・再生療法

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コメント

  1. より:

    術中、自分の手で口を開けてるってアイデアには驚きました!ルンルンさんの熱意に脱帽です(^ ^)更には、時間を買う?斬新なアイデア2連発に、目が釘付けになってしまいました(゚∇゚ )
    ルンルンさんの歯医者さんは、ちゃんと妥協点を見出して下さる、良い先生ですね。信頼関係、間違いなく築かれつつあると思います。

    いよいよ来週は、休み休みで静脈麻酔無しかも?の手術との事。無事終了するよう祈っています。
    何より、ルンルンさんが無理しませんように(-人-)

    1. ルンルン より:

      魚さん
      優しいお言葉ありがとうございます♪
      ほんと、素人の発想(妄想?暴走?)っておかしいです…(^▽^;)
      そして、いよいよ来週です!
      意識があれば詳しくレポれるかもしれませんし、意外と根性なくて早くに静脈麻酔で寝てるかもしれません…o(´д`)o
      いつも応援ありがとうございます(^▽^)/

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