第三十四話:セラミック装着!感慨深く言葉にならない

前回のセラミック装着の予定が、ちょっとした修正で2週間ほど間が空いた。
この2週間、私は楽しみで仕方がなかった。

前回は、「美しい…」と感動したセラミックの歯だけれど、鏡で見せてもらったのはほんの数分のことだし、果たして「本当にそうだったかのか?」という疑問がフツフツと湧いてくる。

歯医者のチェアーの上で見る自分の歯というのは、普段家の洗面所の鏡で見る歯となにか違う。
何か違うと感じる。
自撮りの歯とも違う。
まぁ、写真に撮ったものが、一番「相手から見えている状態」に近いんだろうな。
ともかく、私は自分自身の「美しい…」という記憶が正しかったのかどうかが思い出せない。

そんな2週間を過ごし、ついに今日修正した歯が仕上がる。

この日を待っていた…!

思い返すと、初診の日からもうすぐ1年が経とうとしている。
ちょうど1年前のこの時期に、カウンセリングめぐりをしていたっけ。
3件カウンセリングを受けて、ここに決めた。

そして、年が明けた今年のはじめから、私のセラミック矯正が始まった。
アノときは、正直こんなに時間がかかるとは思っていなかった。
この仮歯も、1年近くつけていることになる。
連結した、4本と6本の仮歯。
フロスが通らない歯は正直気持ちが悪い。(でも慣れちゃった)

セラミックにしたら、ついにフロスができる!
ついにその日が来るのだった。

先生:「前回、上の歯を少し右にズラしたのをつけてみますね。今日は上だけ麻酔をしていきますね。」

私は前回、麻酔無しで上の仮歯を外した。
それは、思いのほか痛かった(笑)
でも、ギリギリ我慢できる痛みだった。
麻酔をしないことによって、口唇の腫れがないので、歯の見た目をしっかりと自分の目で確かめることができる。
麻酔をしてしまうと、唇が動かなくて、いまいちよく分からない。
だから前回麻酔なしにチャレンジして、それはそれでとてもよかったのだけれど、今回は、黙って麻酔をしてもらうことにした。
前回の仕上がりを見て、だいたい分かっていたし、結局、接着するときには麻酔なしは厳しいし。
なにより、前回ギリギリ我慢できたのは、先生がすごく気を使ってそーっとやってくれたからで、今回はそこまで気を使わせるのが悪いな、と思ったから。

黙って上の歯だけ麻酔をし、上下の仮歯を外し、修正したセラミックを装着した。
先生はまた、私の歯を、近くから見たり遠くから見たりを繰り返した。

先生:「前回、上の歯をほんの少しだけ右に修正しました。これで目の位置とのバランスもいいし、一番自然に見えると思います。」

私:「前回先生が気にされていたのは、顎が歪んでいるからですよね。この上と下が合わないのこれでいいんですかねぇ。」

私は、鏡の中で見て、前回からどこを修正したのか、じつはよく分からなかったけれど(そのくらい微妙な修正)、上下の正中が合っていないのは、見て分かった。

先生:「はい、下に合わせて上の歯を作ると、正中は合っても、目のラインからみたときに真ん中に見えなくなるんです。これは、正中が合っている人というのはほとんどいなくて、正中はそこまでこだわる部分ではないんです。それより、今の状態は、目の位置から顎までを見たときにバランスがいいので、この方がいいと思います。
人は、正中が合うことより、この顔全体で見たときの歯の位置の方が気になるものなんですよ。」

私:「なるほど。じつはそんなに前回との違いは分からないんですが、顔に合わせて右に寄せたから、上下の正中はよりズレていると。
でも、気になりません。
あ、上下のズレに注目して見てたら、上の歯が顔に対してまっすぐになってるのが分かりました…!」

私は、正中のズレを見ていたら、この微妙な修正の意味が分かってきた。
前回、「ここを変えた方が絶対にいい」という先生の自信は、やっぱり当たっていた。
なるほどな〜

色も、自前の歯よりやっぱり白かったけど、前歯が明るいのは、まぁいいかな〜と思えた。

私:「色はどう思いますか?」

先生:「1本だけ違うと気になりますが、多数歯でこの明るさで、前歯から奥にむかって暗いのは、そんなに気にならないと思います。
どうしても気になるというなら、3、4番だけをホワイトニングすれば前歯くらいの明るさになりますよ。」

私のセラミックの白さは、ホワイトニングをしなくても、「ギリギリこのままでもイケる」くらいの白さだった。
白いとはいえ、ひとつひとつの歯は、きちんと歯の根に向かって黄色っぽいグラデーションになっているし、先端は透明感があって少しギザギザしているし、やっぱり美しかったので、コレでいいと思った。

私:「はい、自然でとても綺麗なので、これでいいと思います。」

先生:「今日は仮接着にしてしばらく過ごしてもらって、それでよかったら本接着します。」

私:「仮接着と本接着って何が違うんですか?接着の仕方ですよね。」

先生:「本接着は、もう取れることはまずないです。仮接着だと、仮歯のように外すことができるはずではあるんですが、適合がいいと外れない場合もあります。ただその場合は、僕らが外そうと思っても外れないってことなので、仮接着のままで問題ありません。」

私:「無理に外すよりそのままがいいんですね。付けたり外したりは土台の歯に負担がかかるということですね?…となると、下の歯はとくに土台が細いですよね。付けたり外したりが心配なんですけど…」

先生:「はい。だから、できれば、下の歯は今日大丈夫そうだったら本接着した方が安心ではあります。今の時点で下の歯はすごく綺麗にできているので。噛み合わせに関しては、上の歯で調整できますので。」

私:「はい、下の歯、もう問題ないですよね。本接着でいいです。」

先生:「上の歯は、まだ麻酔がかかっているので、仮接着で様子をみて、次回このままでOKなら本接着にしましょう。」

…ということで、下だけ本接着することになった。
上はまだ仮接着なのでまだ修正が可能ではあるけれど、基本的に上下セットだし、もう上の歯も変えるとこはないよな、と思いつつ、やっぱり麻酔が切れた状態でよく見てみたかった。
気になる点といえば、前歯を短くしたいことだけど、これはどうにもならなということがもう分かっていたので、もういいことにしたし、もう考える余地はなかった。考え尽くしたもん!

 

そして、まずは、下の歯から接着する。
なんだかいつもと違う接着剤で、ピピっと何かライトを照射する音。
そして、すぐに、余分なセメントをガリガリと取っている。

先生:「固まる前に余分なセメントを取らなきゃならないので、ちょっと我慢してください。」

ガリガリガリ…
けっこう痛い〜

6本の下の歯は、2回に分けて接着した。

上の歯は、いつもの仮歯と同じ接着だった。
もうこの接着は慣れた(笑)

これでもう、下の歯は完成したということだ。
これで完成!
長かった!
1年がかり!

私:「上の歯の仮接着の接着剤は、仮歯の接着剤と違うんですか?」

先生:「いえ、同じです。」

私:「すると、仮歯で(自分で)外れる予感はまったくなかったので、この歯もたぶん外れないと思って大丈夫ですかね?」

先生:「いえ、仮歯は連結だったというのもあるし、上の歯は下から突き上げられるので、外れる可能性はあります。だから、一応、固いものを食べるのは控えてもらって、もしものときはご連絡ください。来れない時は入れ歯用の接着剤でつけるとかでも大丈夫ですので。間違っても、アロンアルファとかではつけないでくださいね。そうなると本当に大変なことになりますので…。」

アロンアルファで歯を接着する人なんているんだろうか…と思ったけれど、そんなことをしたら、本当に大変なことになりそうだな、と思った。
ともかく、次回までは、気にしながら、奥歯で食べよう。

次回は1週間後。
1週間後に、ほんとに完成!

…と、思ったが、すっかり忘れていた虫歯治療の5番の仮歯があった。

私:「そういえば、5番の仮歯のとこ…。」

先生:「あ、そうですよね。5番は、前歯がそのまま本接着できれば、次回型取りするかもしれません。もし修正するとなったらその次かな….。前歯の噛み合わせを獲得してからの方がいいので。」

あと1本で、私の歯は、「制限内のベスト」な状態になれる。

 

 

 

 

【セラミック矯正のその日の治療費】

1620円

【セラミック矯正のその日のやったこと】

・セラミックの接着(上のみ仮接着)

【セラミック矯正の次回の治療でやること】

・上のセラミックの接着?

【これまでにかけた費用と時間、文字数】
・2741920円
・3420分(57時間)
・142911文字

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す