今回は歯の話ではない。
けれど、あまりに衝撃的だったことがあったので、記しておきたい。
わたしは、先日、ある病院に行った。歯医者ではなく。
病院好き
わたしは、歯医者さんはもちろん、「病院全般」が大好き。
人間ドックも好きだし、病院の雰囲気も、白衣も、消毒のにおいも、医療機器も、注射も大好き!!
そんな病院好きの私は、気になることがあるとすぐに病院へ行く。
(行くといっても、もちろん遊びに行くわけではないので、自覚症状のあるときに…ということ。)
わたしは初めて、その医院に行った。
担当は院長先生だった。
ひととおり説明を聞く最中で、わたしはなんだかこの医師に「違和感」を感じた。
なんだろう…?!この違和感。
たとえばひとつは、「あ、この人カツラっぽいな」という第一印象。
別にカツラが悪いわけではない。
でも、「カツラっぽいな」と感じることって、日常でときどきあると思う。
そんなカツラかどうかはどうでもいい。
別にカツラでも構わない。
でも、「カツラっぽい」の印象から、違和感は次第に膨らんでいった。
まず、私の質問に対して、なんとなく回答が曖昧なこと。
そしてその回答に対して、何度か、側にいる看護師さんから「いや、それは違います」と指摘されて、看護師さんから再度正しい回答をされる、というのが何度かあったこと。
この先生は、私に間違った回答をしていた。
間違いはあってもいい。
すべての質問に答えられるわけではないし、先生よりも看護師さんの方が詳しい分野のこともある。
でも私は、そういった類いの質問ではなく、けっこう根本的にあるような質問をしたんだけどな…。
先生は、なぜこんな質問の回答に間違うのだろうか?という疑問。
また、とある私の質問に対して、
「それは不勉強で知らないですね。」
とあさっさり言われた。
うーん、知らないものは仕方がない。
でも、私は、そんなマニアックな質問をしたわけではないし、
この分野の先生なら知っているだろうろ思える質問だったんだけどな…、と思った。
そういわれると、話は続かない。
ともかく、診察時間中、私は「なんだろうこの違和感…?!」という疑問でいっぱいで過ごした。
エキストラ医師?!
帰宅後、私はこの違和感の正体が知りたく、その先生の名前を検索した。
そんなことをするのは初めてだった。
たとえば、病院にかかる前、下調べの段階で病院を選ぶ際に、「ドクター紹介」のようなページをクリックすることはよくある。
どんな先生なんだろうな〜、とか、気になるから。
私が審美歯科を選んだ時も、よく眺めていた。
でも、先生と会った後に、後日名前を検索するなんてことは、初めてだ。
検索すると、とあるページに、その先生は掲載されていた。
わたしはそのページをクリックして驚いた。
それは、「エキストラのキャスト紹介」のサイトだった。
フリーランスや事務所に所属している、名もなき俳優さんたち…、「エキストラ」の人たちがたくさん載っていて、顔写真、プロフィール、どんなことが得意か、過去の作品…などが載っている。
そのキャスト紹介には、「リアル医者です」ということが書かれていた。
自己アピールとしては、「医療系は得意です」とのこと。
え、ちょっとまって…!?
エキストラ?
リアル医者?!
私の頭は一瞬混乱した。
えーと、あの日会った先生は、本物のお医者さんで、ある病院の院長。
病院のHPには、経歴(学歴、職歴)も書いてある。
それはきっと正しい。
でもって、医師の仕事の傍ら、エキストラの仕事そしているということだろうか。
うーん、別にそうしていても特に問題はないよね…
問題はないけれど、なんだか不思議だった。
非常勤医師という働きかた
加えて、ほかの検索結果を見てみると、私の仕事場から目と鼻の先の総合病院で、非常勤医師として勤務しているらしかった。
これは、過去の情報が掲載されているとかではなく、現時点での「外来表」にも名前が載っているので、実際に今も診察を担当しているのだろう。
担当する日は週に1日のみ。
とある病院の院長、総合病院での非常勤医師、エキストラ。
その3役をこなしているということだろうか。
ちなみに、「院長であるとある病院」と、「非常勤として週1日勤務する総合病院」での診察科目は、全く別のものだった。
謎が謎を呼ぶこの検索結果…
医師免許さえもっていれば
医師免許は一部の科を除いてどの分野でも診療できる。
だから私たちは、その道の「専門家」の所へ行く。
その分野の経験数があるとか、症例が多いだとか、そういうことを頼りに、先生を選ぶ。
それしか選ぶ方法がないから。
たとえば、精神科の先生が、脳外科の手術をできるのだろうか。
医師免許を取る過程で、分野をまたいだ医療の知識を習得するのだとしても、それでも、精神科の先生が、脳外科の手術をできるとは、とても思えない。
もちろん、緊急な場合、急病や僻地などでも対応は、その医学知識を活かして専門外の治療に携わることがあるとは思うけれど…。
今では、医学の進歩とともに、私たち患者側の要求や知識も高まり、「専門分野」を深めることが、必要になってきている。
だから、「専門医」「学会の認定」「自由診療専門」などの病院が増えてきている。
患者もそれを意識して、病院を選ぶ。
ちなみに、わたしが謎のエキストラ医師と出会った医院は、「自費」の病院だ。
歯科医師免許は別
さて、歯科医師は、免許も国家試験も全く別のものだ。
国家試験の受験資格そのものも違い、歯科医師は所定の大学(歯科大学や大学歯学部など)の歯学課程を修了している必要がある。
歯科医師は歯科医師でしかない。
歯科を開業できるのも歯科医師だけ。
医師免許を持っているお医者さんは、歯科を担当できない。
そんな風に、「歯科ひとすじ!」の歯医者さんがやっぱり好き。
歯科の中でも、専門分野をはっきり明示している人がいい。
いろいろな専門分野があって、いろいろな考え方があって、治療法があって、その選択肢を広げて欲しい。
そして、選択したい。
そして、医師免許が、どんなに難しいものだとしても、「更新制」とかにして欲しいと思う。
車の免許みたいに。
いい医師と出会うことが、寿命に大きく関わってくる。
だから、私は、選びたい。
それでもやっぱり基本的にはどのお医者さんもすごいな〜とは思っている
…と、いろいろ好き勝手言ってはいるが、どのお医者さんも、なんだかんだで尊敬している。
やっぱりすごいもん!かっこいいもん!
私の娘がかかる小児科は、街のお医者さん的なところで、とても人気で(小児科の数自体が少ないのもある)、診察予約の始まる朝8:30に電話をしても、電話はなかなか繋がらず、やっとつながると、すでに「100人待ち」とかだ。
どうしてもその日にかかりたければ、朝7:30くらいから、医院の前で待っていなければならない。
(電話予約よりも、来た人優先)
先生はとても優しく、私たちはこの先生によくお世話になっていた。
ちょっと症状が悪い時(たとえば高熱が続いたり)だと、翌朝7:00代に電話をくれて、「症状はいかがですか?」と聞いてくれたりする。
子どもも大きくなり、頻繁に熱を出すこともなくなり、今ではあまり行くことはないけれど、いつも「先生、いつ休んでいるんだろう…?」と思っていた。
予約の人数や診察の様子を見ていると、本当にずっと働きっぱなしなんだろうな…と思ってしまう。
歯医者さんだって、12時間労働のところが多い。
やっぱり大変だと思う。
休み時間があったとしても。週休3日だとしても。
なんだかんだで、医師も歯科医師も「大変な仕事」だと思う。
医療の仕事を体験できる場所
そんな「病院好き」の私がお気に入りの場所が、キッザニア。
キッザニアとは、子どもたちが、いろいろな職業を「体験」できる遊び場だ。
この体験できる職業の中に、お医者さん、獣医さんや歯医者さん、救命救急隊員などが含まれている。
(ほかにも、消防士とか美容部員とかお菓子屋さんかいろいろある)
本当はこの体験を私自身がしたいところだけれど、キッザニアは、「子どものみ」が体験できる場なので、大人の私は体験できない。
残念。
そんな無念をはらすために、私は娘にそれらの体験をさせている。
私はそれをワクワクしながら眺めている。
(わたしがやりたいっ!!!)
これが、想像以上に本格的で、内視鏡を使った手術とか救命救急でのAEDの使い方とか、臨場感があふれている。
手術の風景が怖くて泣いてしまう子もいる。
救命救急隊員の仕事では、心肺停止状態の人(人形)を前に、救急車が到着し医師に引き継ぐところまでの連絡などの流れを正しく行っている。
見ているだけも興味深い。
救急車が到着して、「わたしが医者です」と、お医者さん役の人が降りて来たとき、
「わー、この役やりたい!!」と思ってしまった。
白衣を来て、「わたしが医者です」と言ってみたい…!
エキストラ医師なら、わたしにでもできるのではないか…?
エキストラの登録でもしてみようかしら…
結局のところ
結局のところ、私が出会った「謎の医者」は、本当の医師免許を持ったお医者さんで、とある病院(自費専門)の院長でもあり、とある総合病院の非常勤医師でもあり、エキストラの仕事もしている。
というだけのこと。
特別問題はない。
ただ、なんだか「不思議」なだけ。
まぁ、いろいろな「働き方」がある。
そして私は、自分の検索力がちょっと怖くなった…