1年ほど歯科で様子を見ていた娘(7歳)の矯正がはじまった。
私がセラミック矯正をするのと同じ頃に、そのタイミングがやってきた。
娘は、私と同じように、顎のアーチが狭く、永久歯が生えてきたときから、「あ、生えてくるスペースが足りないな」というのが一目で分かる歯並びだった。
娘は、歯の成長が早く、抜けるのも生えるのも、標準よりも1年ほど早いようだった。
小児矯正の場合、前歯4本が揃った小学校低学年で顎を広げる「第一期治療」と、永久歯が揃う中学生くらいでの「第二期治療」の2回に分かれる。
(そうでないものもある)
まずは、セファログラム(頭部X線規格写真)という検査をする。
セファログラムでは、「上下顎の大きさとそのズレ」、「顎の形」、「歯の傾斜角」、「口元のバランス」などについての診断ができる。
主要な計測点を線で結んだ角度が、標準の値からどのくらいズレているかを計測し、娘の場合は全て「標準の範囲内のズレ」であった。
骨格上の問題はとくにない。
先生:「すべて標準の範囲内なので、矯正すれば問題ない歯並びになると思います。ただ、このまだ骨の中に埋まっているレントゲンを見ると、奥歯がねじれているのと、八重歯の位置に問題が起きる可能性があります。」
私:「この永久歯はまだ生えてくるまで分からないということですね。いつ頃生えてくるものですか?」
先生:「中学生くらいです。これは骨の中のことなので、今は、いい位置に生えてくるように…と祈るくらいしかできないんですけど。」
私:「ですよね。この1期治療が終わった後に2期が必要になるかどうかは、それしだいということですか?」
先生:「そうですね。1期である程度歯の生えてくるスペースが確保できれば、2期は必要ないこともあります。八重歯の位置が悪いと、たいてい2期を希望されます。」
今できるのは、まずは顎のアーチを広げて、歯のスペースを確保することだ。
必要になれば2期治療をすればいいだろう。
検査の結果無事問題なく矯正ができることになり、早速歯の型取りをし、矯正器具をつくってもらう。
まずは上顎の器具のみつける
上と下一度につけるのではなく、片側ずつつけて慣れていくのだそう。
上顎の器具はこんな感じ。
この顎の間(中央)に隙間が空いていて、真ん中のネジを週に1度周し、この隙間を開けていく。
そうすると、顎がだんだん広がって行くという仕組み。
私:「週に1度のペースで広げて、痛くないんですか?」
先生:「子どもの場合、痛くないみたいですよ。」
若さって素晴らしい…
器具の水色の部分は、何も言わないとピンク色で、好きな色があればその色で作ってくれる。
娘は、なぜか「水色のラメ入り」と注文していた…
口の中なのに水色でいいのだろうか、と思ったけれど、本人が気に入ってればそれでいいや。
このワイヤーを奥歯に引っ掛けて、上顎に器具を密着させる。
食事や歯磨きのときだけ、この器具を外す。
違和感はないんだろうか?と思っていたけれど、子どもは、なんなくあっという間に慣れた。
この器具を見たとき、「あぁ、私に必要だったのはこれなんだ…!」と思った。
顎のアーチが狭いことで、今こんなに苦労して大金をつかうハメになってるのを思うと、娘が羨ましかった。
この1期治療は30万
たったの30万!!!
矯正はお金がかかる…というイメージがあり、30万だって大金ではあるけれど、後に私のような治療をしなくてはならないことを思うと、なんて安いんだろうと、思った。
矯正をはじめてよかったこと
矯正をはじめて、将来綺麗に歯が並んだらもちろん幸せだけれど、矯正を通じて、「歯の大切さ」を私たち親子は共に感じることができた。
これまで娘は、きちんと歯磨きをする習慣がなかった。
いくら言っても、忘れてしまったり、面倒に思ったりしてしまうようだった。
でも、矯正を初めてから、食後にはすぐに歯磨きをして矯正器具をつけなければならないので、必ず歯磨きをするようになった。
歯磨きは、食事、おやつのほか、牛乳やジュースを飲んだ後も、必ずしていた。
「矯正をしている」ということが「特別な気分」で、娘はこの矯正器具を気に入っていた。
「ちゃんと歯磨きしないと、将来ママのように大変な目にあうよ〜」という脅し?もあり、たくさんのお金がかかることも理解し、
「ママ、矯正やってくれてありがとう!」と言ってくれた。
あぁ、この気持ちを忘れないで!!!
私は、「娘の未来のため」に娘の矯正をはじめた。
娘が幸せになってくれればそれでいい。
親なら誰しも願うこと。
でも、どこか嫉妬していた。
娘には、まだまだ選択肢がある。
仮に第一機治療がうまくいかなくても(例えば面倒で器具をつけなくなっちゃうとか、やめてしまうとか)、まだまだ出来ることがたくさんある。
矯正の方法だってたくさんある。
大人になってからだってできる。
私には選択肢が残されていなかった。
私は心の中で、7歳の若さに嫉妬していた。
若いって素晴らしい…!
ちなみに、次回から、月に1度の調整に行く。
次回問題なければ、下の型取りをして、次次回から下顎の器具をつけることになるだろう。
娘の診断結果と治療計画
症状:
歯と顎の大きさの関係の以上
不正咬合の種類:
叢生(そうせい)、乱杭歯(らんぐい歯)
診断名:
叢生を伴う不正咬合
治療方法:
早期治療(第一期治療)、非抜歯(第二期治療で抜歯する可能性:低)
・取り外しのできる装置を用いた治療
・固定式装置を用いた治療(マルチブラケット法)
・口腔筋区訓練療法(MFT)
治療期間:
1.0〜1.5年、保定期間 1年〜
治療費:
検査・診断料 32400円
早期治療 324000円
調整料 5400円/回
経過観察料 3240円/回