第四話:大手美容外科系の審美歯科クリニックってどんなところ?

審美歯科めぐり1件目

審美歯科めぐり2件目

を終えて、3件目は、大手美容外科系の歯科へ行った。

大手美容外科系の歯科は、セラミックの症例数も多いのではないかと思い、めぐってみたかったひとつ

全国に何院もあり、都内だけでも数件ある審美歯科チェーン。
S歯科。

ここは、メールで予約をすると、確定のメールの際に、担当の先生の名前を書いてくれる。

HPを見ると、どの先生が担当なのかが分かり安心する。

このビルのワンフロアがこのクリニックになっていて、美容外科や脱毛(?)などの部門もあり、歯科はどの扉を開けたらいいのか分かりにくく、最初に入ったそれらしき部屋で、「予約した○○ですけど。」と名乗ったら「脱毛のご予約ですか?」と聞かれてしまった。
「いえ、歯科です」というと、「歯科はあちらになります〜」と案内してくれる。

待合室は広い。
名前で呼ばない番号札式の受付で、問診票を書く。

レントゲンを取り、歯科衛生士さんに診察台を案内される。

ところで、こんなにレントゲンって毎回撮っても大丈夫なのかな…

事前にHPで拝見していた先生が現れ、口の中を見てもらう。

これまで同様、一番気になるのは、歯周病との兼ね合いなので、その旨をお伝えし、口の中を見てもらう。

先生:「歯周病は安定しているようなので、セラミックにするのは大丈夫ですよ。どの部分が気になりますか?」

私:「一番気になるのは、上の前歯2本なんですけど。ただ、上の前歯を引っ込めるには、この2本だけというわけにもいかないと思いますし、その左右や上下の噛み合わせもありますので、先生だったら、どこを変えたらいいと思いますか?」

これまで、わたしは、ほかの審美歯科で、前歯のバランス(横の繋がり)や下の歯との兼ね合いも聞いていたので、なぜか「おすすめプラン」を聞いてしまった。

鏡を眺め、

先生:「口をいーっとして笑ってみてください。上の歯10本下の歯10本が、人から見える部分になります。だから、この10本ずつを綺麗にするのが一番のおすすめではあります。」

私:「え、20本も…!?」

と、「ベストなプラン」を聞いてみたらそうなるよね〜と思いつつ、仮にこのプランで進めた場合のステップ(期間など)について聞いてみることにした。

(セラミックの種類だとか治療方法についてはもうすでに他の審美歯科でも聞いていて疑問は解決していたので)

私:「この10本の歯というのは、連結していない独立の歯でしょうか?」

先生:「はい、全部一本づつ独立した歯で作っていきます。」

私:「じゃぁ仮にこのプランで進めるとなると、どんなステップで、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。」

先生:「まず下の歯からはじめます。仮歯で様子をみて、下が決まったら、上の歯を合わせていきます。このような10本の場合、削るのも4時間くらいはかかりますね。」

私:「じゃぁ下から初めて、上の歯まで全部終わるのにどのくらいの期間がかかるんでしょうか。」

先生:「そうですね〜、仮歯を使ってみながら細かく調整していくと、仮歯の期間が半年から1年くらいになるかもしれません。あとは、「ダウンタイム」を考えていただく必要もあります。しばらくは歯茎が腫れたりしますので。」

ダウンタイムとは施術してから回復までの時間のこと。
この言い方が美容外科っぽい。
美容整形をしたあとの、麻酔による腫れやむくみ、痣などが引くまでの期間のことらしい。

私:「1年ってかなり長いと思うんですけど、その間、仮歯で、見た目的にはどうなんでしょうか?」

先生:「仮歯といっても、本歯に近い状態で微調整していきますし、見た目も、保険の仮歯のような団子みたいな歯はつけませんよ。審美的な仮歯ですから。」

団子みたいな歯って… 笑

この歯科では、モデルなどの方も、仮歯の状態で撮影をしているらしく、見た目は綺麗な仮歯のよう。

仮歯の期間が長いということは、その分、仮歯で「ベストな状態」に微調整できるということでもあるので、その後高いセラミックの歯を入れるのだから、気に入ったデザインが実現できるということなのかもしれない。

私:「なるほど。ベストなプランは20本だとして、でもそこまではお金をかけられないので、あとは、予算次第で、特に気になるところを直したいです。」

で、わたしが一番気にしている歯周病について経緯を詳しく話す。

そして、この歯周病の話をし始めたときから、なんとなく会話の雲行きがあやしくなる…

これまで歯周病に長く悩んでいたこともあって、かつセラミックについてはもうあまり疑問がなくなっていたため、わたしは、つい歯周病の苦悩の日々について語りすぎてしまった。

歯を削ることで歯周病が悪化しないだろうか、治療中に歯周病が進んでしまったらどうなるのだろうか、そんな話ばかりをしてしまったところ、

先生:「歯周病については、ご本人のコントロール次第なんでなんとも言えないんです。○○さんはすでに歯の根が見えている状態ですから…、今後の歯の健康や歯の寿命についても考慮すると、やっぱり歯周病に強い歯科で審美もやっているような先生に見ていただくのが一番いいかもしれません。」

私:「歯周病の治療というのは、いかに歯を残すか、というところにフォーカスしてますよね。そういう先生だと歯を削ってセラミックにするとうう治療法は反対されるんじゃないかな〜と思うんですけど。」

わたしは、歯周病の歯周内科の先生には、とてもじゃないけど、セラミック矯正をするなんて言えなかった。
せっかく、グラグラして今にも抜けそうな歯をここまで復活させてくれたのに、見た目だけのために削るなんて言ってはいけないことなんだと思っていた。

先生:「そんなことはないですよ。歯周病の治療で歯茎が下がったことによる審美的な問題を解決されたいという方も多くいらっしゃいますし、開業されている先生で審美も歯周病されている方は多いですよ。ここは美容歯科なんで、歯周病のアフターフォローを望まれるなら、やっぱり歯周病の治療も見てくれる先生がいいのではないかと…。」

ここで、はっきりと、「断られた」のだった。

私:「そうですよね。やっぱり歯周病のことが気になるので、ちょっと検討してみます。」

歯科にはそれぞれの得意分野がある。
歯周病に力を入れている歯科、義歯の上手な歯科、矯正歯科、審美に力を入れている歯科。
治療をするなら、その分野で一番の経験を積んだ先生に見てもらいたい。
だから、自分の現状を把握し、自分に合った歯科を選ぶことが大切なんだと。

そんなことにあたらめて気づかせてくれたのが、この美容歯科だった。

安易に上下20本の治療をすすめるわけではなく、(おすすめプランとしては提案されたけど)こうして本当のことを教えてくれたのが、この歯科だった。

ここでの治療は断られたけれど、来てみてよかった。

わりと話がすぐに終わってしまったので、どうでもいい質問(でも気になる質問)をしてみた。

私:「先生、「歯の神経」って何色なんですか?」

先生:「赤っていうか、ピンクです、炎症を起こしてなければ。炎症がなければ透明ですね」

歯の神経はピンク。
わたしはこの新しい知識を手に入れただけで満足だった。

歯周病について語りすぎてしまってすいません…。(次回から注意しよ〜っと)

この審美歯科で感じた私が気に入ったポイント

  • 事前に担当の先生が分かるのが安心
  • 仮歯の仕上がりに期待が持てそうだった(仮歯期間は長いけれど)

この審美歯科で感じた私が不安に思うポイント

  • 「美容歯科」という点が、得意分野にフォーカスしてるんだと思うものの、歯の健康を思うとやや心配。(それでもちゃんと断ってくれたのには誠意を感じる)
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